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2007/06/19

ラム圧

キャブレターの理屈ってのは、ベルヌイの定理。(気体の流速が速まると圧力が低下する)これって、非常に判りにくいわけですね、簡単に言えば、エネルギー保存の法則なんです。たとえば、ビー玉を上から下に転がすと、上にあったときの位置エネルギーが、速度エネルギーに変換され、下に転がるに従い、速度エネルギーが大きくなり、代わりに、位置エネルギーが小さくなる。位置エネルギーを圧力(これもエネルギーね)とすれば、気体が運動エネルギーを得ると、圧力エネルギーが低下する。そんでもって、圧力が低下することで、キャブレターは燃料を吸出し、混合気になるわけです。そのときの混合比は、空気14.7:燃料1ってのが良いといわれています(理論空燃比)エンジンの出力を向上させるということは、燃料の持つエネルギーを変換して動力に変えるわけで、その熱効率は、大体32%程度で、どんなエンジンも同じようなものです。ですから、出力を大きくさせるには、一定時間当たりにより多くの燃料を燃やすことになるのです。ですから、混合気を多く燃やす=排気量を大きくする。バイクでは、あまり大きなエンジンは、重すぎて、扱い辛い、同じ排気量のエンジンで比較した場合に、他社製品よりも高出力であること、メーカーとして自社の技術力をユーザーにアピールし、製品価値を誇示するのに良いネタなわけです。また、クルマのエンジンで完成の域にある、ターボチャージャーやスーパーチャージャー等、過給機構を用いると、混合気を1気圧をはるかに超えた圧力で、シリンダー内に押し込めるので、飛躍的に出力が増大するわけですが、その補機の配置などで、設計が複雑になりすぎるのか?トルク特性がバイクに合わないのか?コスト的に合わないのか?・・・理由は判りませんが、20年ほど前に各メーカーから数車販売されただけで、今日ではほとんど作られていません。それらの過給器ほど飛躍的ではないにしろ、多少なりとも効果が期待出来るのが、走行風による過給「ラムエア過給」なのである。ターボやスーパーチャージャーが、その過給圧を0.5とか0.7程度とし、出力が1.5~1.7倍も増加するのに対し、ラム圧過給では、5%程度とされている。でも、他社の車両より1馬力でも高出力なら高性能ってイメージは湧きますので、藁をも掴む気持ちなんでしょうね。あとは、冷たい、フレッシュエアを吸い込めるのもメリットかも知れませんね。

312t古いF1では、こんなのがあったです。

この巨大さであれば、さぞかし、

強烈なラム圧だったんじゃないかと

想像できますが、

有る時点で、規則により禁止されています、(たぶん、1976年のシーズン途中)

一応、オイラのZZ-R1100の前期モデルは、量産バイクで初のラムエアシステムを採用したらしい、んで、こりが、コレは、なんぞや? 普通の吸気の場合、

0001

ZZ-Rのブタ鼻。

よく見ると、鼻の中に、

鼻毛じゃなくって、

パイプが見える。

(今までの長い前振りは、ココからのことを書きたいがため)

Ram_1

A,B,Cの圧力は、

全て、大気圧で同じなんですね。

それで、

より多くの空気をシリンダー

に入れられるように、

Ram_2ラム圧を求め、

車両の前に吸気ダクトを延ばす。

そうすると、

A>Bとなり、Bの燃料が、

思うように吸い出せない

(速度で圧力が変動し、高速になればなるほど、薄くなるから、特に厄介)

Ram_3 んじゃ、ってことで、

キャブのフロート室にも

ラム圧を導入する。

こんどは、B>Cとなり、

タンクからキャブへ

燃料が落ちなくなる

(油面低下で、これも薄くなる)

Ram_4ラム圧の掛かったフロート室へ、

燃料を圧し込む為に、

重力落下による燃料供給をやめ、

ポンプで燃圧を高め、

(圧力CをC’に高める)フロート室へ

燃料を強制的に送る。やっとこれで、メデタシってわけですね。注、文献を全く読んでいません、私(スクラフィー)がZZ-Rを復活させた際にバラした経験、パイプのルートを見て感じた、勝手な解釈です。間違っていたら、ゴメンナサイ。あ、一応言っておきますけど、インジェクション車はね。ポンプ普通にあります。(ラムエア車じゃなくても)燃料ポンプにより、高い圧力で燃料を送っていまして、インマニの気圧と、フューエルデリバリタンクの圧力の差を一定にするようにプレッシャーレギュレーターで調整して余った燃料は戻しつつ、ニードル式の電磁弁(コレをインジェクターと呼ぶ)で吐出しています。燃料の量は、ニードル弁に印加する電圧ではなく、印加時間で調整しているわけです(過去にはアナログ式に、電圧調整で燃料量を決めていた、いすゞのジェミニなどもありました)

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コメント

こんばんは~。
ターボ過給では、ウエィスト・ゲートなどで
圧を制御してますが、ラム圧には無い所を
見ると、それほど過給は掛からないのかなぁ?

そう言えば、90年代のターボ廃止後の
NAのF1マシンもラム圧を使ってた言われて
一斉に規制が入りましたね。あのF1のラム圧の
インダクションBOX内の加圧状況の解析を
テレビで見たことがあるんですが、あれ凄いですね。
何やら後ろバンクにより圧が掛かるので、BOX形状の
見直しやら何やら・・・・
流石は世界最高峰のマシンだと妙に感心しちゃった
記憶があります。

投稿: やぶいち | 2007/06/19 22:51

RAM圧ってのは、ライダーは身体で感じているんで、
結構な圧力になりそうな気もしますが、
実質的には、ZZR1400でも、5%程度みたいですね。

F1の場合は、1976年までに、一度、ラム過給のピークが来ています。シーズン途中でマシンの高さ制限が設けられました。

んで、1977年のルノーのターボエンジンのデビューから、1988年の廃止までは、ターボ時代になり、

それ以降に、もう一度ラム圧過給が見られ・・たしかセナさんが死んだあとに、インダクションポッドに何平方㌢以上の穴を設けなさいってルールが出来たはずです。

3リッター規則で廃止になったのかな?、忘れました。

投稿: スクラフィー | 2007/06/20 13:19

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